東京ブックラブ | 読書会

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【活動報告】 2017/8/19(土) 大手町の駅近で読書会

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怪しい雲行きの中、読書会に参加いただきましてありがとうございました。
7名参加で小説から会計、社会学まで今回も様々な本を持ち寄りいただきました。

マイナス・ゼロ(広瀬正)

著者の広瀬正さんはTVの脚本家との事で本作も含めてタイムトラベル本しか書かない作家さんです。
本書は戦時前、中、後が再現されているSF小説です。
戦時中、空襲に遭い息も絶え絶えの方から「18年後ここに来てほしい」と主人公の少年に言葉を残して亡くなり、18年後、30歳になった元少年がその場所にやってくると・・・
その後、主人公は一体どうなるのでしょうか。

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

マイナス・ゼロ (集英社文庫)

13ヵ月と13週と13日と満月の夜(アレックス・シアラー)

12歳の少女が主人公カーリー。転校してきた少女メレディスと仲良くなりたいので近づこうとするカーリーですがなかなかうまくいきません。
その時、メレディスを引き取ったおばあさんからある事をカーリーに告白されて、そこから一気に巻き込まれていきます。
タイトルの意味は?カーリーとメレディスは一体?

13ヵ月と13週と13日と満月の夜

13ヵ月と13週と13日と満月の夜

生きていることを楽しんで(ターシャ・テューダー)

自給自足の生活、循環とはなんだろうかと考えさせられます。
自分の死すら受け入れる著者の価値観を本書から知ることができます。
自ら「地上の楽園」と呼ぶ庭や絵本も手に取りたくなりました。
また、2017年に映画化もされているそうなので合わせて観てみるのもいいかもしれません。

体の贈り物(レベッカ・ブラウン)

エイズ患者のホームケアワワーカーをやっている著者によるフィクション小説です。
まだまだエイズに偏見があった時代、ホームケアとしてエイズ患者との関わり方を描いています。
エイズだけにとどまらず、高齢化社会の日本でも介護や病気で他人の手を借りなければならなくなった時に自分がどの様に関わって行くのか考えさせられます。

体の贈り物 (新潮文庫)

体の贈り物 (新潮文庫)

子ども達に教えたい会計のしくみ(梅田裕介)

親から子供に会計を教えるということで簡単かつすぐにできる方法が本書より学べます。
投資と消費の違いはなんだろう?大人になるとどれだけ子供の頃に親から投資してもらっていたのかを考える機会にもなります。
参加者の方よりいくら使っているか記録をつける。1ヶ月の合計ランチ費用をあらかじめ決めるランチ財布を作るなど節約のテクニックが複数出て来ました。

子ども達に教えたい会計のしくみ

子ども達に教えたい会計のしくみ

断片的なものの社会学(岸政彦)

著者は大学で教鞭をとる社会学者との事で、同和地区や沖縄などのフィールドワークを行い現場でインタビューする手法を取っているとの事です。
社会学と書くと固い本かと思いますが、風景写真とエッセイが中心で平凡で何気ない事を本書で触れることができます。
また社会学者でありながら小説も書いており、後で調べたことですが芥川賞候補にもノミネートされたとの事です。

断片的なものの社会学

断片的なものの社会学

野村證券第2事業法人部(横尾宣政)

過酷な営業で知られる野村證券のエリート営業マンの手記です。
内容は今では考えられないコンプライアンスで引っかかりそうな手法、野村證券内情が書かれておりフィクションじゃないかと思う内容ばかりでした。
金融に興味がなくとも読み物として惹きつけられるかもしれません。

野村證券第2事業法人部

野村證券第2事業法人部


今回は小説多めでしたが、ジャンルは幅広くどの本でも盛り上がりました。
参加者さんの本の紹介が上手というのもありますが、どの本にも興味をもって聞いてくださってくれる本好きの方々ばかりでした。

前回よりはじめました気になった、興味のある本と一言コメントを1人3冊程度記入するワークをしているのですが他の方から感じた視点がぎゅっと一言にまとめられていて毎回気付きがあります。
参加者の方々にはお手間おかけしていますが、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

また、別途で記事を作りますが次回の読書会は9/2(土)で同じ時間、同じ場所です。
早速、参加表明いただいており次回も楽しい会になるよう頑張りますので皆様のご参加お待ちしております。

※2017/9/3 一部書評に誤りございましたので修正致しました。